山形県生協連主催で、11月28日(木)山形ビッグウイング交流サロンにて「2024ユニセフやまがたのつどい」を開催し35名が参加しました。コロナ過でリモート開催が続いていましたが、4年ぶりにリアルで開催することことにしました。     

 ひさしぶりのリアル開催ということで、指定募金先の東ティモールを体感できるものはないか日本ユニセフ協会の石尾さんに相談したところ、東ティモール含めて東南アジアでポピュラーなおやつ「ピサン・ゴレン」をすすめられました。これはバナナを小麦粉等で揚げた、いわば「バナナの天ぷら」ですが、今回はホットケーキミックスを使い粉砂糖をまぶして作りました。おなじみの東ティモール産コーヒーと一緒にこの特製「ピサン・ゴレン」を賞味してもらいましたが、とても好評で皆さんきれいに残さず食べていただきました。

 最初に「ユニセフ 地球のともだち」を視聴後、メイン企画として日本ユニセフ協会の石尾匠さんから「東ティモールスタデイツアー報告」をしてもらいました。参加者は各生協で中心的にユニセフ活動をされている方が多いので、前半はあらためてユニセフの概要や最新の活動状況について説明いただきました。特に「ガザ人道危機緊急支援」の状況について動画を交えて報告いただきましたが、4万人を超える犠牲者の4割が子どもである事、今も支援を必要としている子ども達が155万人にのぼるのに支援がままならない最悪の事態に、とにかく人道的即時停戦が急務であることを実感しました。 後半は東ティモール指定募金と東ティモールスタデイツアーについてお話いただきました。東ティモール指定募金は2014年からスタートし10年を経過していますが、そもそもなぜ指定先が東ティモールなのか、その国情や子どもをめぐる厳しい状況を説明してもらいました。ユニセフが支援を行う一番の判断基準は「5歳児未満の死亡率」です。5才を超えればその後の生存は高まりますので、5歳児未満死亡率を下げることが必要です。東ティモールの5歳児未満死亡率は世界199か国中で32位(日本は191位)、アジア太平洋地域34か国中では4番目(2021年時点)ととても悪い状況です。改善には単発の食料や医薬品支援だけでなく、長期的で地域に根ざした支援が必要です。そのためユニセフでは「東ティモールにおける新生児と母親のための保健ケアの改善プロジェクト」に取り組み、その資金に生協の指定募金が活用されます。大きくは「医師・保健員の育成」「小児用医療器具の提供」「母親支援グループへの研修」が実施されています。

 その支援の現場を視察するため、9月29日~10月6日の日程で「東ティモールスタデイツアー」が組まれ、石尾さん含め4名が参加したそうです。東ティモールは13の県がありますが、そのうちエルメラ、ビケケ、バウカウの3県のプロジェクトに対して生協の指定募金が活用されており、スタデイツアーでは主にビケケとバウカウの2県をまわったそうです。移動する車中の動画を見せてもらいましたが、画面が大きく上下し幹線道路も大変な悪路であることがわかります。診療所と保健所が一体になったような「保健センター」をいくつか訪問していましたが、ユニセフの支援で機材の充実、助産師の研修、住民のヘルスプロモーションなどが進んでいる様子がわかりました。また力を入れているのが「母親支援グループ」の育成です。子どもの栄養不良の改善には、食習慣や衛生環境の改善、女性の経済的自立が大切で、コミュニティの中で母親を支援する活動を行う存在が重要な役割を発揮していました。ツアーの最後に、現地事務所代表が「日本は2011年の大震災・津波のときもユニセフや指定募金に変わらず支援をいただき、今も東ティモールに支援をしてくれることに敬意と感謝を伝えたい」との言葉を向けられたそうです。

 

 最後に山形県生協連佐藤専務が今年のユニセフ活動の計画を説明したあと、佐藤文子ユニセフ委員(共立社酒田生協)が閉会の挨拶で「組合員一人一人の募金がユニセフや東ティモールの支援に役立っていることがわかった。これから各生協でユニセフの学習や募金活動に積極的に取り組んでいきましょう」と呼びかけ、つどいを終了しました。